安保法案「成立すれば国民は忘れる」 強行採決の背景は - 朝日新聞(2015年7月16日)

http://www.asahi.com/articles/ASH7B63N3H7BUTFK01S.html?iref=comtop_6_01
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採決前の質疑で、首相は「まだ国民のみなさまのご理解が進んでいないのも事実だ」とも認めた。浜田氏は採決後、記者団に「もう少しわかりやすくするためにも、法案を10本束ねたのはいかがなものかなと思う」と首相への不満を漏らした。石破茂地方創生相も14日の記者会見で「『国民の理解が進んできた』と言い切る自信があまりない」。政権内には、国民の理解が一向に進んでいないという自覚はあった。それなのに、政権はこれ以上の異論を封じるかのように採決に突き進んだ。
民主の岡田克也代表は採決後、「国民の反対が強まってくるなかで、早く店じまいしなければ大変なことになる。これが首相の考えだ」。共産党志位和夫委員長も「国民多数の反対を踏みにじって採決を強行した。国民主権の蹂躙(じゅうりん)だ」とそれぞれ批判。参院で廃案に追い込む考えを示した。
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自民幹部の一人は法案の作成過程も問題視する。議員が幅広く法案の作成過程に関与することなく、「一部の幹部だけで法案が作られ、党内議論で意見しようとすれば、作成を主導した高村正彦副総裁に論破された」。異論に耳を傾けぬ党内の空気が醸成された。首相に近い参院議員の一人は「消費税や年金と違い、国民生活にすぐに直接の影響がない。法案が成立すれば国民は忘れる」と言い切る。