戦後70年を日本が過去を直視し指導力を発揮する絶好の機会に 欧米の日本研究者ら187人が声明を発表 - ビデオニュース・ドットコム(2015年05月9日)

http://www.videonews.com/commentary/150509-01/

欧米の日本研究者ら187人が日本政府及び安倍晋三首相に対し、5月4日、過去の植民地支配や侵略の過ちを認めるよう求める声明を出した。しかし、この声明は名だたる日本の専門家たちによるものだけに、重みがある。また、通り一遍の日本批判ではなく、韓国や中国による慰安婦問題の政治利用を批判し、欧米諸国もまだ歴史と向き合えていないことを認めた上で、それでも日本に対して「過去の過ちについて、できる限り偏見のない清算」を求めるなど、その内容は注目すべき点を多く含んでいる。
 これは「日本の歴史家を支持する声明」(Open Letter in Support of Historians in Japan)と銘打った声明文で、ハーバード大エズラ・ボーゲル名誉教授やマサチューセッツ工科大のジョン・ダワー名誉教授、コロンビア大学のキャロル・グラック教授ら、名だたる欧米の歴史学者政治学者187名が署名をしている。特に日本研究で実績があり、親日家として知られる学者が多く含まれているほか、欧米の大学で教鞭を執る日本人の歴史学者政治学者も含まれている。
声明は戦後日本の歩みは「世界の祝福に値する」ものだが、「祝福を受けるに当たり、歴史解釈の問題が障害になっている」として、戦後70年を迎えるにあたり「過去の過ちについて、できる限り偏見のない清算を共に残そう」と、日本に呼びかけるような内容となっている。


Open Letter in Support of Historians in Japan
http://www.videonews.com/wp-content/uploads/2015/05/japan-scholars-statement-2015.5.4-eng_0.pdf


日本の歴史家を支持する声明
http://www.videonews.com/wp-content/uploads/2015/05/japan-scholars-statement-2015.5.4-jpn_0.pdf

日本の研究者・同僚と同じように、私たちも過去のすべての痕跡を慎重に天秤に掛けて、歴史的文脈の中でそれに評価を下すことのみが、公正な歴史を生むと信じています。

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歴史家の中には、日本軍が直接関与していた度合いについて、女性が「強制的」に「慰安婦」になったのかどうかという問題について、異論を唱える方もいます。しかし、大勢の女性が自己の意思に反して拘束され、恐ろしい暴力にさらされたことは、既に資料と証言が明らかにしている通りです。

関連サイト)

昨年10月23日マスコミ倫理懇での朝日慰安婦報道の検証に関わるスピーチを文章にしました - MIYADAI Blog(2015年1月12日)

http://www.miyadai.com/index.php?itemid=1063
【軍の関与でなく軍の関与不十分こそが問題】
93年以降今日までに発見された一連の公文書に照らせば、93年談話の言う「⑴軍の要請で慰安所が設置されたこと、⑵軍の直接・間接の関与で慰安婦の管理と移送が行われたこと」は動かない。クマラスマミ報告後の国際世論も、概ね談話通りの事実を踏まえて日本政府を批判する。それらは三つの焦点を持つ。