百田尚樹も尊敬する元零戦パイロットが安倍首相を批判!「戦前の指導者に似ている」と(梶田陽介さん) - リテラ(2015年4月24日)

http://lite-ra.com/2015/04/post-1050.html

4月3日、米「ニューヨーク・タイムズ」に、第二次世界大戦時、零戦パイロットだった男性のインタビューが掲載された。原田要さん、98歳。元大日本帝國海軍エースパイロットである。

Retired Japanese Fighter Pilot Sees an Old Danger on the Horizon - New York Times(APRIL 3, 2015)
http://nyti.ms/1ER8pwk

「Retired Japanese Fighter Pilot Sees an Old Danger on the Horizon(元日本人戦闘機飛行士は差し迫った古い危機をみる)」──そう題された「ニューヨーク・タイムズ」の記事は、長野で行われた原田さんの講演会の描写から始まる。彼はゆっくりと壇上に上がると、セピアに色あせた写真を掲げたという。それは、革のフライトジャケットを着込んだ、若かりし頃の自分の姿だった。そしてこう語った。
「戦争ほど恐ろしいものはありません」
「私は、あなたたちに私自身の戦争体験を伝えたい。若い世代に、私と同じ恐怖を体験させないために」
講演会のあと、原田さんは「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューに応じている。
「私は零戦のコックピットから戦争を見ました。いまだに私が殺した兵士たちの顔はよく覚えています」
「戦場でのかつての敵兵もまた、私たちと同じように父であり、息子なのです。彼らを憎んだり、知りもしないでいることはできません」
「戦争は人間から人間性を奪うのです。全くの他人を殺すか、殺されることを選ばざるをえない状況に置かれることによって」
「私は気がつきました。戦争が、私を人殺しへと変えてしまった。私はそうありたかったわけではないのに」
人を殺したくない、そう思っていても、人を殺してしまっている──戦場の現実を知る当事者の言葉は、重い。記事には書かれていないが、原田さんの著書『最後の零戦乗り』(宝島社)には神風特攻のエピソードも記されている。

最後の零戦乗り (宝島SUGOI文庫)

最後の零戦乗り (宝島SUGOI文庫)

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「安倍首相は必死で日本の戦争放棄を取り消そうとしたがっているように見える」、そして、「戦後の長い平和がひとつの達成であったということを忘れているように思えてならない」と。
積極的平和主義の名の下に、日本を再び「戦争ができる国」にしてしまった安倍首相。その口から常日頃飛び出すのは「有事にそなえて」「中国の脅威は予想以上」という国防論だ。そこからは、原田さんが語る「全くの他人を殺すか、殺されることを選ばざるをえない状況に置かれる」「戦争が、私を人殺しへと変えてしまった」という生々しい血の匂いと、背負うことになる罪の重さは、まったく感じられない。
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原田さんはインタビューで、「安倍首相ら最近の政治家は戦後生まれだから、どんな犠牲を払ってでも戦争を避けなければならないということを理解していないのです」と語り、そして、こう続けている。
「その点で彼らは戦前の指導者たちと似ているんです」