GPS捜査 全国で運用 警察庁が要領通達 監視対象車に設置-東京新聞(2014年12月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014123090070054.html
http://megalodon.jp/2014-1230-1229-49/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014123090070054.html

警察庁が二〇〇六年、位置情報を取得できる衛星利用測位システム(GPS)端末を、捜査対象者の車にひそかに設置して追跡するため、運用要領を作成し各都道府県警に通達していたことが、同庁の内部文書で分かった。こうした捜査手法は法規定がなく、実態は長年、不透明だった。今月、愛知県警が本紙取材に導入を認めて一端が明らかになったが、同庁によると既に全国の警察が組織的に運用しているといい、プライバシー侵害などを懸念する声が強まりそうだ。

文書は〇六年六月三十日付の「移動追跡装置運用要領」。刑事局刑事企画課長名で各都道府県警に示された。GPS捜査の違法性を問う訴訟に関わる弁護士グループの情報公開請求で、開示された。

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◆内規のみ許されぬ
日本刑法学会元理事長の大阪学院大・村井敏邦教授(刑事法)の話 警察が長年にわたり、組織として秘密裏に使用してきたことを裏付ける資料だ。法的な根拠がない中、内規だけで運用を正当化することは、許されない。

<衛星利用測位システム(GPS)> 人工衛星の電波を受信し、観測地点を正確に調べる仕組み。軍事目的で開発されたが測量やカーナビなどに応用されている。捜査で使用されている携帯式GPS端末は、警備会社などが子どもの見守り、盗難対策のため普及させた。位置情報をパソコンや携帯電話で監視できる。