秘密保護法 言わねばならないこと(4)公文書公開に逆行 歴史学者 久保 亨氏-東京新聞(2013年12月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2013122102000197.html
http://megalodon.jp/2013-1223-0734-18/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2013122102000197.html

欧米やアジアでは市民革命や独立運動の後、公文書館がつくられた。自分たちの歴史が文書で記録され、公開される大切さを知ったからだ。しかし下からの民主化の経験がない日本では、パブリック(公)の概念が確立しないまま近代国家のふりをし、公文書への認識も抜け落ちてきた。

国民が情報を獲得してチェックし、行政はチェックされていることを念頭に動く仕組みがなければ、真の民主主義国家とはいえない。秘密保護法の廃止を目指すのはもちろん、同時に、民主社会を支える情報公開で日本がいかに遅れているか、それが国際的な立場をどれほど危うくするものか、国民全体が自覚しなければいけない。