秘密保護法案参院審議を問う 石破発言はなぜ問題-毎日新聞(2013年12月3日)

(1/2)http://mainichi.jp/opinion/news/20131203k0000m070159000c.html
(2/2)http://mainichi.jp/opinion/news/20131203k0000m070159000c2.html

(魚拓1/2)http://megalodon.jp/2013-1204-0919-11/mainichi.jp/opinion/news/20131203k0000m070159000c.html
(魚拓2/2)http://megalodon.jp/2013-1204-0919-46/mainichi.jp/opinion/news/20131203k0000m070159000c2.html

民主主義や表現の自由に絡んで、よく引き合いに出されるのが「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉だ。フランスの哲学者、ボルテールが述べたとされる。改めてその言葉を持ち出さねばならぬほど国会の姿勢は危うい。

石破発言には、公共や公益を重くみる姿勢が強くにじみ出ていることも注目される。背景にあるのは、自民党憲法改正草案だろう。

草案は、表現の自由を保障した21条に「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、それを目的として結社をすることは認められない」と加える。こうした考え方は、法案にも通底している。

たとえば、政府が強調する「知る権利」の保障だ。条文を読むと、取材行為が正当と認められる条件には、「もっぱら公益を図る目的」がなければならない。何が公益か、政府と報道の見解が対立する場面も想定される。そもそも、テロを定義した部分は「主義主張に基づき、国家や他人にこれを強要する」ことがテロと読み取れる。法案の条文には、もっと熟議を重ねなければならない箇所が多く潜んでいる。

この法案は、内容も議論の過程も民主主義とは相いれない。