原発避難生徒のいじめ相談に 学校が「忙しい」「お金の話は警察へ」 - 東京新聞(2016年11月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016112002000115.html
http://megalodon.jp/2016-1120-1534-04/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016112002000115.html

東京電力福島第一原発事故福島県から横浜市自主避難した中学一年の男子生徒(13)が、市立小学校時代にいじめに遭った問題で、生徒が持ち物を隠されるなどの被害を相談した際、学校が「忙しい」「自分の管理が悪いのでは」などとおざなりの対応をしていたことが、生徒側の弁護士への取材で分かった。生徒は「先生に疑われている」と感じて不信感を抱き、長期の不登校につながったと、弁護士は指摘している。 (志村彰太)
弁護士によると、生徒は二〇一一年八月、小学二年で横浜市立小に転入した。直後から、同級生に名前を呼ばれる際に「菌」を付けられたり、たたかれたりした。三年には四カ月ほど不登校になったが、当時は、担任がその都度注意するなど対応したという。
しかし、四年で担任が代わると、暴力で大きなあざが残ることがあったほか、教科書や鍵盤ハーモニカを隠された。生徒は複数回、担任に相談したが「ないなら、買うしかない」「忙しいから後で」としか言われず、「先生に逃げられている」と感じ、担任への相談をやめたという。
さらに五年になると、同級生十人前後から「震災のお金(賠償金)があるでしょ」と、ゲームセンターなどでの遊興費を求められるようになった。
この際、一緒に行った子どもの保護者が金銭のやりとりに気付き、PTA会長を通じて「保護者会を開いて話し合うべきだ」と、学校に要請。両親も学校にそれまでのいじめや、同級生らへの遊興費が百五十万円に上ると訴えた。
しかし、学校は保護者会は開かず、同級生が聞き取りに「おごってもらった」と話したため、両者の言い分が食い違うと判断。両親に対しては生徒同席の場で「お金の話は警察へ」「物は隠されたのではなく、本人の管理の問題と聞いている」と話したという。
生徒は「なぜ放置というか、自分が疑われる話になるのか」とさらに不信感を強め、五年の五月末から卒業まで登校しなかった。また、両親は市教育委員会に学校を指導するよう求めたが、市教委は「学校自治」を理由に「指導はできるが、介入はできない」と動かなかったという。
こうした生徒側の訴えについて、当時対応した教諭の一人は、本紙の取材に「複雑な事情があり、いじめとは考えなかった。言いたいことはあるが、取材には市教委が回答することになっており、詳しく話せない」としている。

◆市教委 学校対応を調査へ
横浜市教育委員会は、当時の小学校の対応が適切だったのかを教員らに聞き取りし、年内にも検証結果をまとめる。岡田優子教育長は十五日の記者会見で「対応が遅れた理由を内部で検証し、再発防止策をつくる」と話した。
市教委によると、学校は生徒が三〜五年時にはいじめを認識できなかったとしている。ただ、校内では毎年、児童にいじめの有無を問う無記名アンケートをし、いじめられている児童は二〇一二年に「三年で二人」、一四年に「五年で一人」との結果を市教委に報告していた。
いずれも被害生徒の学年と一致することから、市教委は「アンケート結果が今回の件を指しているなら、学校はいじめを認識できる環境にあったことになる」と指摘。アンケート結果を精査する。要望があった保護者会を開催しなかったことについても、「なぜ学校が冷たい対応をしたのか、経緯を調べたい」とする。

「誰もが安心できる奨学金を」 給付型求め、大学生らが国会前デモ - 東京新聞(2016年11月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2016111902000255.html
http://megalodon.jp/2016-1120-1533-41/www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2016111902000255.html

多くの学生が利用できる給付型奨学金の実現を目指す大学生らのグループが十八日、国会正門前で緊急集会を開いた。奨学金を受けている大学生らが「政府の検討する給付型奨学金の対象者は七万五千人にすぎず数%の学生しか救えない。本物の奨学金を」などと訴えた。
集会を開いたのは、首都圏の大学生のグループ「Rights to Study」で、十月に十五人で結成した。国会正門前には大学生のほか、高校生、母親、野党国会議員らが集まり「学ぶ権利に利子をつけるな」「学費を下げろ」「奨学金は借金じゃない」と叫んだ。
都内の美術大四年の女子学生(22)は月九万五千円の奨学金を借り、卒業後に利子を含め五百七十万円を返済しなくてはならないと語った。「卒業後の返済が不安な中で、就職先も月々の返済を考えて決めた。家は経済的に苦しく、私の学費のために母が別に教育ローンも借りた上、奨学金の返済で苦しむ姉にも借金した」と話した。
都内の私立大三年の男子学生(20)は卒業後三百万円を返さなくてはならない。「日本は学費が高く、奨学金も利子までついておかしい。本当に困っている学生に給付されるように規模を広げてほしい。誰もが安心して使える本物の奨学金にしてほしい」と訴えた。

米国 トランプ氏支持者、日系人収容の前例を引き合いに - 毎日新聞(2016年11月19日)

http://mainichi.jp/articles/20161120/k00/00m/030/068000c
http://megalodon.jp/2016-1120-1533-15/mainichi.jp/articles/20161120/k00/00m/030/068000c

【ロサンゼルス長野宏美】米国のドナルド・トランプ次期大統領の政権移行チームがテロ対策として検討中とされるイスラム系移民の登録制度について、有力支持者が米テレビで支持を表明する際、第二次大戦中の日系人強制収容を「前例」として引き合いに出した。これに対し、ロサンゼルスの全米日系人博物館は18日、強制収容は「恥ずべき歴史だ」と指摘し強く抗議する声明を発表した。
トランプ氏の政治資金団体幹部だったカール・ヒグビー氏は16日、保守系FOXテレビの番組で、イスラム系移民の登録制度を支持。人種や宗教に基づいた特定集団に対する差別的扱いに関して「第二次大戦中の日本人にもそうした」「前例がある」と述べた。
同博物館は強制収容を「我が国の歴史で最も恥ずべきこと」と非難。「集団への恐怖をあおり公民権を否定するため、公人が日系人の悲惨な歴史に頼ることに黙っていない」と抗議した。
大戦中に強制収容された日系人は12万人以上に達し、1988年にはレーガン政権が公式に謝罪した。
人気SF映画「スタートレック」で知られる日系人俳優ジョージ・タケイ氏(79)も18日、ワシントン・ポスト紙に寄稿し「安全のためだとして、人種や宗教による差別を正当化できない」と抗議した。タケイ氏は5歳の時に家族と収容所に入れられた経験がある。

関連サイト)
日系人俳優ジョージ・タケイ氏は、ワシントン・ポスト紙に寄稿し「安全のためだとして、人種や宗教による差別を正当化できない」と抗議した。
日系アメリカ人俳優“過ちを繰り返すな” - NHKニュース(2015年12月14日)
http://d.hatena.ne.jp/kodomo-hou21/20151214#p11

増える虐待、対応「もう限界」 児相職員、すり減る心身 - 朝日新聞(2016年11月20日)

http://www.asahi.com/articles/ASJC31D7FJC2UTIL077.html
https://megalodon.jp/2016-1120-0846-47/www.asahi.com/articles/ASJC31D7FJC2UTIL077.html

■小さないのち 児相の現場で
バジルのパスタを食べようとしたときだった。
午後9時半すぎ、西日本にある児童相談所(児相)でいつものように残業をして帰宅した女性ワーカー(児童福祉司)の携帯電話が鳴った。遅い夕食とはいえ、夫と向かい合い、ほっとした時間を過ごそうとしていた。
児相からの着信に胸騒ぎがした。この日の夜は、緊急事態が発生すれば、対応しなければならない当番にあたっていた。
病院から、虐待が疑われるとの通報があったという。小学生が脳振盪(しんとう)を起こして運ばれたので、病院に行って確かめてほしいとの依頼だった。
女性ワーカーはすぐに自宅を飛び出した。車を運転して約1時間。ほかのワーカーと病院で落ち合い、父親から何があったのかを聞いた。「質問しても息子が何も答えなかった。小突いた後に押し倒し、足で踏んづけた」と女性ワーカーに話したという。子どもは吐き気を訴え、そのまま入院した。
帰宅したのは午前0時すぎ。夫はすでに寝ていた。ひとりで冷めたパスタを食べ、床に就いた。翌朝は午前8時半に出勤。その後、入院した子どもの一時保護に向かった。
虐待の対応チームに入って4年目の30代。大学を卒業後、別の仕事をしていたが、子どもが虐待で亡くなるニュースを見て、「自分が救う側に回りたい」と、この世界に飛び込んだ。