いま読む日本国憲法(28)第42条 二院制で権力を分散 - 東京新聞(2016年10月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/imayomu/list/CK2016100502000195.html
http://megalodon.jp/2016-1007-0941-06/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/imayomu/list/CK2016100502000195.html


国会の二院制を定めた条文です。憲法制定時、連合国軍総司令部(GHQ)は一院制を求めましたが、日本側の主張で二院制が採り入れられました。二院制の大きな利点は、権力の分散。一方の院の誤りをもう一方が正したり、不足を補ったりできます。ただ、憲法論議では、二院制を維持するか一院制に改めるかが大きな争点になっています。
憲法は予算、条約、首相指名で衆院の議決が優先されると定めています。それ以外は、衆院が可決した法案を参院が否決した場合、衆院が出席議員の三分の二以上の賛成で再可決しなければ成立しません。参院は「衆院カーボンコピー」とも呼ばれ、存在感の薄さが指摘されますが、「参院は強過ぎる」という声もあるのです。
一院制を求める声が強まったのは、いわゆる「ねじれ国会」。二〇〇七年夏から一三年夏までの六年間、国会は一時期を除いて衆院参院の多数派が異なり、衆院を通過した法案が参院で否決されたり、与野党のにらみ合いで法案審議が停滞したりしたのです。
「決められない政治」の元凶のようにも言われましたが、裏を返せば、参院衆院をけん制し、二院制の機能を果たしたとも言えます。参院は、与野党を問わず一院制に反対です。
自民党改憲草案も二院制を維持しています。草案Q&Aは「党内論議では、『一院制を採用すべき』との意見が多く出された」としながら、党内での合意形成の手続きがなお必要と説明しています。
一二年四月、超党派議員連盟一院制導入を柱とした改憲原案をまとめ、当時の横路孝弘衆院議長に渡しましたが、所属会派の承認がなく、慣例により受理されませんでした。


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憲法の主な条文の解説を随時掲載しています。
自民党改憲草案の関連表記
国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成する。

福島第一原発 高濃度の汚染水が保管タンクから漏れる - NHKニュース(2016年10月7日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161007/k10010720781000.html
http://megalodon.jp/2016-1007-0928-58/www3.nhk.or.jp/news/html/20161007/k10010720781000.html

東京電力福島第一原子力発電所で、6日、高い濃度の放射性物質を含む汚染水が、鉄板をボルトで継ぎ合わせたタイプのタンクから、周辺に設けられたせき内に漏れているのが見つかり、東京電力は鉄板の継ぎ目から漏れたと見て、止める措置をとっています。
6日正午すぎ、福島第一原発で汚染水を保管している1基のタンクの側面から水が滴り落ちているのを、パトロール中の作業員が見つけました。
東京電力が分析したところ、ベータ線という放射線を出す放射性物質が1リットル当たり59万ベクレルと高い濃度で検出されました。
東京電力によりますと、漏れた量は推定で32リットルで、タンク周辺に設けたせきに雨水と混ざった状態でたまっているということです。

このタンクは鉄板をボルトで継ぎ合わせたフランジ型と呼ばれるタイプで、これまでにも継ぎ目の材料の劣化による汚染水漏れが起きていることから、東京電力は今回も同じように継ぎ目から漏れたと見て調べるとともに、汚染水を別のタンクに移して漏れた場所より水位を下げるなど、漏えいを止める措置をとっています。

フランジ型のタンクについて、東京電力は、汚染水漏れを防ぐため、継ぎ目を溶接したタイプのタンクへの置き換えを進めていますが、増え続ける汚染水に対応するため、この夏からはフランジ型のタンクを、いったん処理したあとの水をためるのに当面再利用する方針にしていました。

福島原発事故の賠償・除染負担が8兆円増 電事連、超過分に国費を要望 - 東京新聞(2016年10月7日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201610/CK2016100702000129.html
http://megalodon.jp/2016-1007-0947-26/www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201610/CK2016100702000129.html


大手電力会社で構成する電気事業連合会は、東京電力福島第一原発事故に伴う賠償と除染費用に関する負担額が、これまでの計画を約八兆円上回るとの試算をまとめた。超過する分を国費で手当てするよう政府に非公式に要望した。費用は東電など大手電力が負担することになっており、国民の負担につながりかねず、政府は慎重に対応するとみられる。
賠償と除染費用は、東電が国の認可法人原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から資金の交付を受けて支払う。賠償に関しては、東電を含む大手電力が負担金を機構に納付し、除染は、機構が保有している東電株の売却益を充てる仕組みになっている。
現在の見込み額は、賠償が五兆四千億円、除染が二兆五千億円だが、試算では賠償は二兆六千億円増えて八兆円に、除染は四兆五千億円増えて七兆円となる。賠償の対象者が想定より増え、除染の対象地域も拡大しているのが理由とみられる。さらに東電の株価が低迷し、売却益が一兆円程度、下振れすると見込み、合計で計八兆一千億円上回る可能性があるとしている。
原発を持つ大手電力は二〇一五年度に、機構に対して一般負担金を計千六百三十億円支払った。このうち事故当事者の東電は五百六十七億円で、これに加えて特別負担金として七百億円を払った。関西電力の一般負担金は三百十五億円だった。四月からの電力小売り全面自由化による競争激化で、大手は収益環境が悪化しており、これ以上の負担の増加を避けたい考えだ。
福島第一の事故処理費用は、このほかに廃炉費用も計画の約二兆円から数兆円規模で膨らむのが確実だ。経済産業省有識者委員会が五日から事故費用負担や東電の経営改革の在り方に関して議論を始めた。