<金口木舌>40年後の未来と卒業生 - 琉球新報(2021年3月6日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1282153.html

本部町の瀬底大橋が開通したのは40年近く前の1985年。それまで瀬底島の中学生は卒業後、船に乗って本島の高校に進学していた

▼「海が荒れるとフェリーが出ないので漁船に乗って本部高校に行ったが、波で制服がずぶぬれになった」。50代の女性は懐かしそうに振り返るが、車で往来することが当たり前の現在では想像しにくい光景だ
▼インフラの整備や科学技術の発展で私たちの生活は格段に便利になった。面白いのは、かつて存在しなかった情報通信技術のない時代の生活を、今の子どもたちになかなか理解してもらえないことだ
▼「ラインがなかったらどうやって連絡してたの」「ユーチューブはどうやって見てた」。緊張しながら友達の家に電話したことや、土日の番組を見なければ週明けの学校で話がついていけなかったことを説明しても「不便」の一言で片付けられる
▼持ち歩ける小型テレビで通話もゲームもできる漫画のような世界は現実になった。最先端技術から予測し得る未来を網羅した川口伸明氏著の「2060 未来創造の白地図」には、空飛ぶ車いすや天候に応じて色や形が変化する衣服が実現する未来が描かれている
▼今日は県内の公立中学校の卒業式。40年後に50代半ばになる卒業生は未来をどう創造し、牽引していくのか。夢のような沖縄に思いを巡らせ、子どもたちと語り合ってもいい。

 

(政界地獄耳)「丸川」って別姓だよね - 日刊スポーツ(2021年3月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103050000137.html

★五輪相や男女共同参画担当相・丸川珠代自民党所属の県議会議長らに、選択的夫婦別姓制度導入の意見書に賛成しないよう求める文書を連名で送っていたことが明らかになった。3日の参院予算委員会では社民党党首・福島瑞穂が幾度も「なぜ反対なのか」を問うと丸川は「私には私の意見があることは確かでございますが、それはそれとして、いま私は大臣の任にございますので、私は大臣としてしっかり務めを果たしたいと思います」と答弁を拒み続けたが、丸川の答弁を額面通り受け止めると、夫婦で別の姓を名乗ることは個人的には反対だが、私は大臣だから考えと違うことを推進する。だが私は結婚しているが別姓を名乗っている、ということか。福島は「男女共同参画担当として不適格だ」とした。

★4日、このやりとりを巡り二階派の会合で元衆院議長・伊吹文明が「大臣というポストに就いたら、自分の主義主張を貫き通すことはできない。大臣が国会の場で(主義主張を)明らかにしたら、夫婦別姓の議論に大変な影響を与えるだろうという配慮がある」と福島を批判。また丸川が別姓を使っていることを「支離滅裂な批判だ。通称『丸川』を使ってうまくいっているなら別姓にする必要がない」とした。伊吹の理屈の方が支離滅裂だと思うが、前段の大臣の主義主張の件はワクチン相・河野太郎が入閣するたび自分のブログでの主張を一切封印するなど、入閣すると持論を捨てる議員もいる。だが丸川のそれは理屈にもならず、福島の「不適格」との指摘を支持したい。

★4日の参院予算委員会共産党副委員長・田村智子は「(選択的夫婦別姓制度への反対を)承知の上で男女共同参画の担当大臣にしたのか」と質問すると首相・菅義偉は「丸川大臣が一政治家としてこうした活動するということは、おかしくはないと思う。(意見書については)承知していないけれども、事実を知っていても、大臣は丸川さんにお願いする」と答えた。適材適所などないということが分かった。(K)※敬称略