<金口木舌>子育てに必要な支援 - 琉球新報(2024年6月9日)

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子どもの貧困率が全国の2倍ある沖縄の実情を知ろうと高校生たちの声を拾ったことがある。みんな明るく元気だ。バイト情報誌を見ていた数人は「修学旅行費の足しにしたい」と話してくれた
▼その夜、一人からメールが届いた。親が賭け事にのめり込んでいること、弟の世話で、バイト代も生活費に消えること―。「どうして私だけ」。楽しそうに見えた生徒の心の叫びに言葉を失った

▼衣食住に事欠いた昔の貧困と違い、現代の貧困は外から見えにくい。県は、課題を可視化して効果的な対策をとるため、子ども調査を重ねてきた
▼2023年度の調査報告書で気になる記述があった。子どもの医療費は中学卒業まで無料になっているのに、医療機関の受診を控える割合が低所得層ほど高くなっていた。「仕事で時間がなかった」が最も多い理由だった
▼身につまされる。子育て世帯を支える上で金銭的な支援は大切だが、それだけでは不十分。SOSを発している子どもと向き合うゆとりが親に足りないのだ。真の豊かさとは何か、思いあぐねる。