【政界地獄耳】日米2つのウソに辟易 - 日刊スポーツ(2023年1月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202301070000075.html

★年始早々政治家の2つのウソが話題だ。ひとつはいまだに決着がつかない米連邦議会下院での議長選出騒動の裏で、経歴詐称がばれた共和党の新人ジョージ・サントス。先月、米ニューヨーク・タイムズ紙が大卒はうそ、不動産資産のうそ、金融大手のゴールドマン・サックスシティグループで勤務のうそなど学歴や職歴詐称を暴露。ユダヤ人ではないのにユダヤ人っぽいと言ってしまったなどお粗末な発言も続いた。ここまでくれば虚偽というより別人になりかねないが、当の本人は「言葉の選び方がよくなかった」と弁明、自分は「犯罪者ではない」「私の罪は経歴を脚色したことだ」と往生際が悪い。

★ところが共和党はせっかく民主党から奪還したロングアイランドの一部とクイーンズでなるニューヨーク州の選挙区をみすみす手放したくないという思いがあるほか、彼のうそは下院議員になる前の話なので、下院の法的資格はあるという声もあり、議席は維持できるかもしれないという。民主主義もいろいろだと感じる。

★一方、年末に4選が決まったばかりの宮崎県知事・河野俊嗣は2日、新型コロナウイルスの感染が発覚。元日には宮崎市宮崎神宮と宮崎県護国神社に初詣に出かけていたが県が地元紙・宮崎日日新聞などに「公舎などで過ごす」に変更するよう依頼していたという。同紙は当然、初詣を報じた。知事はフェイスブックで「県民に無用の不安を与えないようにという職員の判断もあったが、正確な情報提供を第一に考えて対応すべきだった。心よりおわびする」とさりげなく職員の勇み足のように言うが、そうだろうか。立憲民主党小沢一郎はこの問題に「真実を報道すべきメディアに露骨に圧力をかけ、事実と異なる報道を強要しようとする政治が、今や地方の隅々にまで浸透しているということ。この10年で国の倫理観が破壊されてきた。再生するには途方もない時間がかかる」と厳しく批判した。年始からやれやれだ。(K)※敬称略