【政界地獄耳】「時代の分岐点」国民は向き合うべき 英知を絞る時に楽な方ばかり見てはいけない - 日刊スポーツ(2023年1月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202301050000059.html

自衛隊が27年度までに陸・海・空の部隊運用を一元化する統合司令部設置を計画することに伴い、米インド太平洋軍(司令部・ハワイ州)が在日米軍の統合運用の指揮権を在日米軍司令部(東京・横田基地)に移す可能性が出てきた。また韓国の尹錫悦大統領は新年の朝鮮日報のインタビューで米国の核を使用した共同計画と演習を行う可能性について「核兵器は米国のものだが計画、情報共有、演習、訓練は韓国と米国が共同で行うべき」とした上で、米政府もこの考えに「かなり前向き」だと語った。

★「戦後70年あまり続いた〈平和〉の歌声は、いま次第に時代の背景に退こうとしている。平和を守る時代から、戦争に備える時代へと、世界は音もなく転じつつあるのだ。その時代にどう向き合うかは、個人の選択だ。大きな渦に捲きこまれるのも、流れに抗して泳ぎ抜くのも、それぞれの生き方だろう。とりあえず『楯』から『矛』へと流れが変ったことだけは、はっきりと自覚すべき時がきた」とは五木寛之日刊ゲンダイ年頭特別寄稿の一節だ。首相・岸田文雄の言う「時代の分岐点」は全く別の変化を及ぼすことに多くの知識人が警鐘を鳴らすが国民の反応は芳しくない。

立憲民主党小沢一郎はネットに「政権を目指さない政党に存在価値は無い。政権をとってこそ政策を実現できる。だから野党の仕事とは政権交代を実現すること。だが肝心の野党にその本気がなければ国民の支持は得られない。特に野党第1党は勝つために己を殺す決意で結集を目指すべき。今年は野党の覚悟のほどが問われる年になるだろう」と野党の現状を憂いている。今国民はぬるま湯につかりながらいつの間にかゆで上がるカエルの状態だ。野党もメディアも見えないものに不安を感じず、目の前に突き付けられたときに「聞いていない」と怒って見せても後の祭りだ。世界が、日本が英知を絞るべき時に楽な方ばかりを見てはいけない。(K)※敬称略