【政界地獄耳】「自信」駐日米国大使の言葉 日本は自信の持てる国になれるのか - 日刊スポーツ(2022年12月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202212220000045.html

★19日、非公開で行われた超党派の日米国会議員連盟総会(会長・元外相・中曽根弘文)で、ラーム・エマニュエル駐日米国大使は16日に閣議決定した新たな「安保3文書」について「簡単な決断ではなかったと理解する」とし、「日本の自衛にも正しく、インド太平洋地域における日米同盟という集団的な意味においても重要だ」「歴史的でありそのコミットメントはNATO諸国にも影響を与えている」と高く評価した。

★非公開というものの参加した政治家から漏れてくるのは大使から「習近平の新体制がコロナ対策や住宅政策などで不安定なことを指摘して、この4~6年間に何が起こるかは誰もわからない。中国にとってもだ。米国は、挑発ではなく抑止力を発揮していく。近くにいれば憎めない。日米中が意思疎通を密にしていくことが必要だ」との発言があり、一方、日本の武器輸出について議員が問うと「お前たちは主権国だろう。我々は主権国のやることには関与しない」「もっと自国に自信をもって、自分たちの頭で考え、自分たちで行動せよ」。意見交換会は盛り上がり来年から年2回開催することになったという。

★メディアは米バイデン大統領が来年5月に広島市で開かれるG7サミット(主要7カ国首脳会議)にあわせて長崎への訪問を検討しているというニュースに沸いた。首相・岸田文雄も期待感を示したようだが、すでに16年、米オバマ大統領が広島を訪問、バイデンは当時副大統領。今回の長崎の被爆地訪問のハードルは高くない。また広島サミットの岸田のテーマである「核のない世界」に米国が答える形はウクライナに核を使用する態度を見せるロシア・プーチン大統領へのメッセージとしては最高の舞台となるだろう。だが、忘れてはならないのはオバマは広島の近くの在日米軍岩国基地へ訪問をしている。バイデンの在日米軍佐世保基地訪問も行われるだろう。大使の言う自信の持てる国になれるのだろうか。(K)※敬称略