<金口木舌>意見書に慎重審議を - 琉球新報(2022年9月13日)

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「やーなれーる ふかなれー」(家での習慣は外に出たときに表れる)。「黄金言葉」(仲村優子著)に、家庭教育の大切さを説く沖縄の格言が紹介されている

▼県教育委員会の「家~なれ~運動」の一環で、保護者らを対象にした研修が各地で実施されている。2014年に策定された県家庭教育支援推進計画の事業だ
▼「保護者は子の教育について第一義的責任を有する」とした第1次安倍政権下の改正教育基本法が背景にある。同法の下、安倍政権は「家庭教育支援法案」の制定を目指した
▼後押ししたのは家長主義的な教義を掲げ、多様性に否定的だとされる旧統一教会の関連団体。家族像の押しつけも懸念される中、野党や各地の弁護士会は「家庭教育への公権力の介入を招く」と批判している
▼「家庭教育支援法の制定を求める意見書」が県外の複数の地方議会で可決されたが、行政に教化されなくても家庭での習慣は大切にできる。統一地方選で348人が当選した。さまざまな意見書に対し、有権者のことを考えた慎重な審議を期待したい。