<南風>諦めない心 - 琉球新報(2022年9月1日)

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11日の大きな選挙はどんな沖縄にしていくのかが問われる大事な選挙なので、率直に思うことを書きたい。私は本土復帰50年目にして恥ずかしながら、初めて基地に反対する運動の歴史を知った。戦後から島ぐるみ闘争、復帰運動とずっと続いてきたことを。

そして沖縄県民は50年前も基地のない平和な沖縄を切望して、復帰措置に関する建議書を作成し国に届け、復帰40年目には、オスプレイ配備撤回・普天間基地の県内移設反対を訴え、全ての市町村長、県議会議長が署名した建白書も国に届け、その後も県知事選で意思を示し、県民投票でも投票者の7割の県民が辺野古新基地建設に反対した。今年沖縄県は新たな建議書も作成した。それでも民意は無視され続けている。

そのつらさを思うと涙が止まらない。私は活動に関わってから4年、何度も心が折れているが先輩たちは50年以上も活動を続けていることに尊敬しかない。

だがうちなーんちゅは悔しい結果ばかりではなく、諦めずに一致団結して本土とも連帯して民主主義、人権を勝ち取ってきた歴史を持っている。今私たちが当たり前のように持っている人権も、先輩たちの命を懸けた活動のおかげなのだ。

今沖縄でまた分断が生まれているが、それを乗り越える底力を沖縄県民は持っていると私は信じている。平和も経済もどちらも大事。なぜ片方を諦めないといけないのだろう。私たちはどちらも得られる権利を持っている。

先人たちが絶対に諦めなければ道は開き、大きな物事でも動かすことができることを、背中で見せてくれた。私たちも力強く諦めないで後世に誇れる歴史を作っていこう。そして政治家だけに任せるのではなく、沖縄を愛する県民一人一人が立ち上がって協力し、県民皆が幸せになれる沖縄をつくっていきましょう。
(神谷美由希、ゼロエミッションラボ沖縄共同代表)