<金口木舌>8月ジャーナリズムとウェブ記事 - 琉球新報(2022年8月15日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1566837.html

5月に録画した番組をまだ見られずにいる。今年は復帰50年で多くの特集が組まれた。後で見ようとほとんどを録画したが、全て見るにはもう少し時間がかかりそうだ

▼「8月ジャーナリズム」という言葉がある。他の月はほとんど取り上げないのに、広島、長崎の原爆の日敗戦の日のある8月は戦争に関する報道が集中することを指す。沖縄だと6月は沖縄戦報道が増える
▼その日までは尻上がりに増えていた報道が翌日以降、一気に減ることに、違和感をぬぐえずにいた時期もある。考えが変わったのは、ウェブ記事のアクセス数などの数字を見るようになってから
▼普段は読まれにくい戦争物だが慰霊の日は別。体験者の言葉を丁寧に紡いだ記事や、なぜ6月23日が「慰霊の日」なのかを解説した記事は毎年、SNSで拡散する
▼8月や6月に報道が集中することが問題なのではない。人々の「知りたい」が高まる時に、それに応えるコンテンツや新しい切り口、見せ方を提示できているか。「8月ジャーナリズム」で問われているのはその点だ。