【政界地獄耳】国民無視に等しい国会無視 - 日刊スポーツ(2022年8月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208120000061.html

★各派とも内閣改造には不満が残るものの、旧統一教会問題が各派を襲い、しぶしぶ了承せざるを得なかった。第1次岸田内閣の教会との関係を認めた7人の閣僚は外されたが、今回の内閣で留任も含め7人の閣僚が旧統一教会と関係があったと明らかにした。つまり関係していない人材だけで組閣は無理だということになる。今日12日には副大臣政務官人事も発表されるがこの分では先が思いやられる。

★10日、首相・岸田文雄は重点課題に(1)防衛力強化(2)経済安全保障(3)新しい資本主義(4)感染症対策(5)子ども政策をあげ「全身全霊で政策を断行し、難局を突破する」とした。だが政権の本当の難局は旧統一教会自民党の汚染が拡大していることだ。改造内閣については「有事に対応する政策断行内閣として、経験と実力を兼ね備えた閣僚を起用した」としたが、2度目の防衛相起用となる浜田靖一は「『存在する自衛隊』から『行動する自衛隊』と言われて久しいが、まさに地域の安定性を考えた時、やはりもっと踏み込んで考えなければいけない」としながら防衛費増額には「現下の安全保障環境に対応できるように必要な事業を積み上げ、防衛力を5年以内に抜本的に強化していく」と慎重に答えた。宏池会の議員は「満点の答弁。岸田はこれを望んだのだろう」。

★岸田は「先の参院選で国民からいただいた信任を一刻も早く形にし、期待に応える有事の内閣を整えていくため、内閣改造を断行した」というが、参院選で物価問題を声高に言っていたものの、国会は9月下旬か10月初めまで開かないのでは説明がつかない。経済対策についても「必要な財政出動はちゅうちょなく機動的に行い、切れ目のない対応を行っていく」とするが、国会無視では国民無視に等しい。これでは何もしない第2次岸田内閣になる。(K)※敬称略