<金口木舌>沖縄と同じ - 琉球新報(2022年6月30日)

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基地周辺には住宅や学校がひしめく。そんな航空写真を見て「普天間も大変ですね」と反応する市民もいるという。ところが写真は、見詰める人の生活圏、東京にある横田基地にほかならない

横田基地の撤去を求める西多摩の会の代表というより沖縄出身2世といったほうがなじみやすい。高橋美枝子さん(80)は、足元の地域の危険を知らずに過ごす市民に気が気でない
▼横田もオスプレイ配備など機能強化の一途。パラシュート降下訓練で落下物もある。離陸した米軍ヘリコプターの後部から米兵が銃を構える写真がある。それを指して「住民地域に向けているとしか見えない」。傍若無人な振る舞いは「沖縄と同じ」と
▼両親は沖縄から神奈川県川崎市に移り住んだ。「大空襲で家を焼け出され、街が紅蓮の炎に包まれる中、生き延びた」。それが基地との対峙に至る原点という
▼基地撤去を求める月一回の座り込みを始めて14年。街の安全に気をもむ姿は、健やかな成長を願う母のよう。身をもって戦争の怖さを伝える苦労は早く終わりにさせたい。
※注:高橋美枝子さんの高は、「はしご高」