<金口木舌>113万円の差をなくすために - 琉球新報(2022年5月30日)

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「ペイデー」が給料日という意味だと知ったのは県内スーパーのCMがきっかけだった。英語を学び始めた中学生の頃だろうか。5の倍数の日は給料日が多いこともそれで知った

▼給料日は待ち遠しいが、賃金を巡る歓迎できない現状がある。日本は他の先進国に比べ、男女の賃金格差が大きい。県内も男性の平均年間給与が417万円なのに対し、女性は304万円にとどまる。その差113万円
▼女性管理職の少なさ、女性の非正規比率の高さ、性別役割の固定化など要因は複数ある。どれも個人の能力の問題ではなく、働き方や社会規範など構造的な問題に起因する
▼政府は今夏にも従業員300人超を雇用する企業に対し、男女の賃金差の開示を義務づける。賃金差を「見える化」し、差の縮小への企業の取り組みを加速させるのが狙いだ
▼賃金差の是正には企業努力が必要なのは言うまでもないが、それだけでは足りない。家事は女性に偏っていないか。残業前提の働き方になってないか。意識や行動を振り返り、変えることこそが重要だ。