<金口木舌>「命どぅ宝」で手を取り合う - 琉球新報(2022年5月28日)

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ウクライナ侵攻の直後、ヨーロッパ映画アカデミーがロシアを批判する声明を出した。だがウクライナで育ちプーチン政権を痛烈に批判してきたセルゲイ・ロズニツァ監督は「歯切れが悪い」と不満を示し、アカデミーを脱退した

▼一方でウクライナ映画アカデミーがロシア映画のボイコット運動を打ち出すと、ロズニツァ氏はそれにも反対した。すると故郷のアカデミーから除名されてしまった
▼ロズニツァ氏の声明には「戦争に反対するロシアの仲間、映画製作者たちがいる」とある。侵攻を鋭く批判する一方、ロシアの人々を排除する動きにも異を唱えた
▼国民民主党大塚耕平政調会長ツイッターでロシア語表記がある道路標識に「問題だ」と書き込んだ。批判を受けて投稿は削除された。ロシア人らの宿泊拒否を一時、打ち出した旅館があった。ロシア語の案内表示を紙で覆った駅も
▼戦争で犠牲になるのは市民だ。軍隊は住民を守らないことを沖縄は体験した。「命どぅ宝」の心で、ロシアやウクライナの人々と手を取り合えるはずだ。

「ぬちどぅたから(命どぅ宝)」

peaceboat.org