<金口木舌>体罰が与える影響 - 琉球新報(2022年4月26日)

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7人制ラグビー県高校大会でコザが3年ぶりの頂点に輝いた。本紙で掲載された、中村玲希緒選手が倒れ込みながらも前進する姿は圧巻だった

▼コザ高ラグビー部OBらの指導の下、小学生の頃からボールを追いかけてきた子たちがコザの主力だ。「楽しんでこい」と送り出された選手たちは伸び伸びとプレーし、予選リーグで完封負けした名護に雪辱を果たした
熊本県八代市の私立秀岳館高サッカー部でコーチが部員を暴行する様子がSNSで拡散された。指導者による体罰はこれまで何度も問題になっているにもかかわらず、後を絶たない
▼悪影響は科学的に証明されている。福井大の友田明美教授は米ハーバード大との共同研究で、子ども時代に体罰を受けると脳に萎縮や肥大などの異常が見られることを突き止めた
▼県教育庁体罰に教育的効果がないことを強調している。勝利至上主義と体罰の関連性も指摘されるが、「愛のムチ」を懐かしむ風潮も一掃せねばなるまい。前進しようとする子どもたちに寄り添い導くのが大人の役目だ。