【政界地獄耳】国内の水際対策の努力は無意味だった - 日刊スポーツ(2022年1月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202201070000021.html

★沖縄のコロナ拡大は米軍が昨年12月17日、キャンプ・ハンセンに到着した複数の隊員のコロナのクラスターが発生の発表からだった。21日、沖縄県知事玉城デニーは在沖米軍トップのジェームズ・ビアマン四軍調整官と外務副大臣小田原潔に電話で米本国からの軍人、軍属の移動停止や基地外への外出禁止などを求めたが、米軍は「陽性者が出た部隊の感染封じ込めに成功している」とし事実上、要請を拒否。行動制限については「日米安保条約の義務履行を妨げずにどのように対処できるか考えたい」と回答した。

★日本政府の水際対策の「穴」はあっという間に広がりを見せる。22日、官房長官松野博一は米側から「ハンセンの陽性者について日本側の協力を得て変異株検査を行い、結果を日本側に共有することとした」と追い込まれていく。24日、外相・林芳正は米軍が9月3日から全ての在日米軍施設の隊員らに対し、米国出国時の検査を免除していたと明らかにした。国内や県内の水際対策の努力は無意味ということになる。このころから沖縄以外の岩国や横須賀などの在日米軍基地でも感染者が広がり始める。

★改めて玉城は今月2日、コロナ感染拡大は米軍由来だと念を押した。来月のプロ野球の春季キャンプ観光は絶望的だろう。6日午前、林はブリンケン米国務長官と外相電話会談に臨み「外出制限の導入」の要求に長官は明言を避けた。元外交官の孫崎享ツイッターで「地位協定『第16条日本国において、日本国の法令を尊重し、協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、米軍隊の構成員及び軍属家族の業務である』。つまり日本政府が特例を作らず必要法を作り『日本の法律を守れ』という姿勢を貫けばいいのです」と指摘している。お粗末な水際対策。コロナ第6波は米軍由来といえる。(K)※敬称略