<金口木舌>助け合いの力 - 琉球新報(2021年12月3日)

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「全身で話し掛けたら子どもたちも応えてくれる。本音でぶつかった」。2003年の本紙に、宜野湾市伊佐青年会でエイサーを指導する又吉茂さんの言葉がある

▼「やんちゃ」な子どもたちを思い、夜間の巡回活動を始めた又吉さん。18年後の現在は「子どもゲンキ食堂」を拠点に支援に奔走する。おにぎりを配り、子どもたちの話に耳を傾ける。何日もまともに食べていない子もいる
▼活動費の3~4割を寄付で賄う。かつて支援した子が大人になり、寄付することもあるという。コロナ禍で支援が必要な世帯が増える中、助け合いの輪が広がる
宜野湾市社会福祉協議会はロックフェスをオンラインで有料配信する。収益は困窮世帯の支援に生かされる。こちらは組織の活動だが、複数のミュージシャンから賛同を得たのは同協議会の地道な活動があったためだ
▼「雨垂れ石をうがつ」と言う。小さな活動も継続することで大きな力になる。コロナ禍の収束は見通せない。ただ、助け合いが脅威に立ち向かう大きな力になることは間違いない。