<金口木舌>外国人実習生の人権が… - 琉球新報(2021年12月1日)

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大学時代、同級生が妊娠した。学生結婚したが、女性側は大学を退学した。出産は喜ばしいことだが、女性の人生を大きく左右する場合もある

▼日本で働く外国人技能実習生で、妊娠や出産で実習を中断した人のうち、実習を再開できたのはわずか2%という。多くは諦めて帰国したとみられる。中には孤立出産で、生まれたばかりの子を死なせてしまい、死体遺棄罪に問われる事例も起きている
岸田文雄首相は人権問題担当の首相補佐官ポストを新設した。中国による香港や新疆ウイグル自治区での強制労働や人権弾圧を念頭に、人権外交を行うという
▼日本の外国人技能実習制度は、強制労働による人権侵害の温床になっていると米国から指弾されている。日本は他国の人権をとやかく言う前に、自国の人権問題の解決が先決だろう
▼外国人実習生だけでなく若年出産も含め、妊娠・出産に寄り添う支援は、母子の人権尊重につながる。出産で仕事や学びを諦めることがないよう再挑戦できる社会であってこそ、女性活躍推進につながる。