【政界地獄耳】コロナ禍で異例の選挙、握手ダメ募る不安 解散早まり大混乱 - 日刊スポーツ(2021年10月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202110130000061.html

★候補者や選対関係者にとって、秋に選挙が実施されることはわかっていたが、予定よりも解散が1週間早まるだけで大混乱が生じている。抜き打ちではないものの、与野党候補ともに「計画」というものがあるという。ある西日本の自民党候補は「リーフレットがいつもの印刷業者では間に合わない。すると初めての業者がすぅーと営業に来る。特急で刷ってもらうことにしたが、いつもより割高。今回はやむを得ない」とこぼす。

★野党の候補者は「選挙日程づくりが大混乱だ。今までは節目節目に応援弁士もそろえて大規模会場で決起集会を開いてきたが、今回はコロナ禍の選挙だから、この集会が開けそうもない。自民党は集会を開く構えを見せるが、実際に開催したとして、もしコロナの感染者が出たらもう選挙どころではなくなるし、当選しても難しい立場になりそうだ。今までと違う選挙を強いられそうだ。場合によってはネットでそんなデマが流されてなどといろいろ考えてしまう」と悩む。

★「集会の告知や活動の写真などでネットを使っていたが、集会が開けない代わりのイベントをネットを使ってやりたいものの、効果的で年配から若い人までを巻き込む方法がなかなか見つからない」とは立憲民主党の若手。「知名度の浸透を優先させるか、政策を聞いてほしいかのバランスも今までの選挙戦とやり方が違うので勝手が違う」と続ける。「人を集められない選挙戦は途中から我慢できずに本来の選挙手法に戻っていくのではないか」とは自民党の選対関係者。いつもの選挙スタイルにしないと安心できないということだろう。「選挙事務所も候補者も手ごたえが欲しくなる。握手はできない。人は集められないでは有権者にはどこで何をやっているのかさえ分からないのではないか。その不安が日増しに募る」。新政権はコロナ対策の具体的処方すらなくコロナ禍の異例の選挙がスタートする。候補者の敵はどこにあるのか。(K)※敬称略