[大弦小弦]国家権力が強権的に振る舞った現場 - 沖縄タイムス(2021年10月9日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/844229

2016年7月22日、東村高江の米軍北部訓練場のゲート前。基地の機能強化で、住民の負担増につながるヘリパッド建設を阻止するため大挙した市民と機動隊で大混乱した。その時、前夜からの泊まり込みでへたり込む私をにらみつけてきたのは県外から派遣された機動隊員だった

▼現場は、国家権力の強権的な振る舞いだらけ。数の力で市民を排除し、付近の県道では検問を行った。自衛隊ヘリで資材を運び、本紙記者らの拘束や市民への差別的発言もあった

▼さかのぼると08年、座り込む住民らの通行妨害禁止などを国が裁判所に申し立てた仮処分もあった。その中には女児も含まれていた。権力の矛先は子どもにまで向かった

▼現場には地方の防衛局職員らも数百人規模で投入され、市民の動きを監視するように24時間態勢の配置が続いた。米軍機が昼夜を問わず低空飛行し、騒音被害などを訴える住宅地では米軍を監視する人員配置はないのにだ

名古屋高裁は、愛知県警が現場に機動隊を派遣した手続きの違法性を認めた。手続き面であっても法治国家で違法と判断されたことを政府は強く認識するべきだ

▼現在の岸田文雄首相は「聞く力」を強調するが、この判決をどう受け止めるだろうか。県民が求めるのは声を「聞く」だけではない。基地の負担軽減という結果だ。(伊集竜太郎)