【政界地獄耳】メルカリに投票用紙…ずさん総裁選 - 日刊スポーツ(2021年9月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202109250000063.html

★ネットには「自民党の党員、党友でもなく会費払った記憶も無く、そもそも自民党支持者でもないのに、自由民主党滋賀県支部連合会から総裁選挙投票用紙の往復はがきがきた…謎」などの書き込みが載る。ネットのフリーマーケット、メルカリには「総裁選挙の投票用紙です。自民党員でしたが、政治に興味がなくなりましたのでお譲りします。価値が分からないので、値段交渉OKです。一番高かった方にお譲りします。期限がありますので、普通郵便の速達でお送りします」との書き込みも投票用紙の写真とともに載る。

自民党総裁選挙は国会の首相指名を経て首相になる可能性の高い人たちを選ぶものでありながら、ずさんな管理体制であることが露呈する。自民党の党勢拡大の旗の下、議員には党員獲得ノルマがかかることは知られている。党員を獲得できないと罰金が発生するといわれ、17年には五輪担当相・丸川珠代が罰金対象になった。「党員として大変お恥ずかしい」としたが、その時は党所属国会議員の中で最下位となった。14年からすべての所属国会議員に新規・継続をあわせて「党員1000人」のノルマがあり未達成分1人につき議員が2000円を党に納めるペナルティー制度もできた。

★丸川は潔い方で、数をそろえるために後援会社、組織が「4000円の党費負担はさせないから」という言い訳で、社員・会員名簿を出す。罪の意識がなければ、許可もなく友人知人をリストアップする。幽霊党員が出来上がる仕組みだ。これが公選法に抵触しないからなんでもありの責任政党の首相の選び方とは恐れ入る。

★無法地帯のベースはこの党員集めの時から始まっているといえる。今回も家族で10票あるとか、乱暴な話が飛び交う。もしこれが本当の選挙ならば大変なことだが、逆に言えば本当の選挙じゃないということか。お粗末な話だが、党改革はここからではないか。この国の異常な常識だ。(K)※敬称略