【政界地獄耳】自民党総裁選「バナナはおやつ」が記事になるお祭り騒ぎ - 日刊スポーツ(2021年9月8日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202109080000155.html

★昨年の総裁選は無条件に菅義偉でまとまったのに、今回は話題づくり先行で、まともな議論がまだどこにもない。現職のワクチン相は総裁選出馬でもワクチン接種に「影響出さない」と言い張る。それでは首相・菅義偉が総裁選とコロナ対策の「両立は無理」と辞任したことすら足蹴(あしげ)にしているといえる。早速自民党税調会長・甘利明は河野に対して「菅総理がダメだと、たたかれた一番の原因がワクチンの迷走といわれているのに、ワクチン相の評価が上がるとは、よくわからない」と皮肉った。

★一方、前政調会長岸田文雄はネット番組で視聴者から寄せられた「バナナはおやつか」との質問に「バナナはおやつに含まれません」と説明。それを政治部記者が記事にするという珍事まで起きた。これをお祭り騒ぎと言わずになんというか。まだ誰が出馬するか、候補者同士の話し合いもあるだろう。メディアは候補者の一挙手一投足を取り上げるが、本来は17日の総裁選告示日と29日の投開票だけ報道すべきだろう。

自民党総裁選挙は公職選挙法に抵触するわけでもないので公平性などは必要ない。一方、毎回、水面下で大きなおカネが動くのではないかとの評判も聞く。だが一国の首相を選ぼうという選挙だ。国民に投票権はない。その信任は直後の衆院選挙が審判の場となる。だからこそ、安倍・菅政治の評価や距離感、これからのコロナ対策の現実的政策が必要になるのだ。そのためには安倍内閣菅内閣の検証が大切ではなかろうか。メディアは新しいものに飛びつく傾向がある。だが、歴史の失敗から何を学ぶかが描かれない未来など意味があるだろうか。今出馬したり、その準備を進めている候補者たちはいずれも政治家として大きな経験や仕事をしてきたが、そのいずれも両内閣での出来事だ。政権の評価を問わずバナナを大きく報じていてはお粗末としか言いようがない。(K)※敬称略

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