【政界地獄耳】菅首相の遅刻…理由あるなら説明すればいい - 日刊スポーツ(2021年8月11日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108110000026.html

★首相・菅義偉の広島、長崎での行動をもう1度検証したい。朝日新聞世論調査では菅内閣の支持率は28%、NHKでは29%という数字が出た。だが首相は「どうせ人気のない首相で、これ以上支持率も上がらない」とみているのではないか。それでも少しでも直せることはやってもらいたい。6日の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式で首相は原稿の一部を読み飛ばした。加えて「広島」を「ヒロマ」、「原爆」を「ゲンパツ」とし言い直す場面もあった。メディアでは大騒ぎとなり直後の会見で首相は陳謝した。

★その会見の司会は広島市企画総務局の幹部。会見では市政担当の記者と首相に同行した記者団が2問ずつ聞くと予定されていた。市政記者が2つ目の買収事件の質問に入ろうとすると、司会は「時間が予定を経過しており、ここで終了にする」と通告。その後、同行記者の質問に移り、2問のやりとりが行われた。つまり地元広島では連日大きなニュースである河井事件について司会は官邸のまねをしたのか遮ったのだ。同日、政府関係者は首相が読み飛ばしたのは破れた原稿を貼り合わせる際に使ったのりが予定外の場所に付着し、めくれなかったためと説明した。

★9日、長崎市で開かれた長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に首相が1分遅刻したことについて、10日、首相は「少し前に会場に着いていたが、時間管理上の問題で遅刻してしまった」「ご関係の皆さんに心からおわび申し上げたい」と謝罪した。原稿は丁寧に読んでもらえばいい。間違えたと思えば読み直せばいい。会見は司会が遮っても制して質問を受ければいい。式典の時間は守らなくてはならないが、この時期だ、健康管理上の理由なら休めばいいし、説明すればいい。前首相の健康問題を丁寧に説明してきたではないか。できることはあるはずだ。(K)※敬称略