【政界地獄耳】コロナ対策「できることはすべてやる」のレベルが低すぎる - 日刊スポーツ(2021年8月6日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108060000050.html

★5日午前、新型コロナウイルスの基本的対処方針分科会で経済再生担当相・西村康稔は、感染者数について「全国多くの地域でこれまで経験したことがないような、極めて速い、けた違いな急速な増加をしている」と発言した。ところがその前日、首相・菅義偉コロナウイルス患者の入院制限方針に野党をはじめ与党からも撤回要求が出ているが「撤回しない」とし「必要な医療を受けられるための措置だ。説明し理解してもらう」と言い張った。5日には「東京で5000件を超えた。警戒感をより強くする中で、徹底をして、まずは対策を講じていく必要がある」とするものの緊急事態宣言を「全国的に(適用する)ということは考えてはいない」とした。首相の言う対策とはいったい何なのか。

★首相の発言でもわかるように政府はこの1年半の間「我慢の3連休」「真剣勝負の3週間」「本当の正念場」「勝負どころだと思っている」「最後の我慢をお願いしたい」などと言い続け国民に自粛要請をお願いし続けたものの政府からの効果的な対策はなかった。国民がコロナ自粛慣れしているからロックダウンせよという声が自民党から上がるが、無策の結果と「安全安心の五輪開催」ありきの政策を優先した結果に他ならない。都市封鎖どころか患者は自宅軟禁だというのだ。

★過去の発言の揚げ足を取る気はない。未知のウイルスとの闘いなのだ。だが危機管理の常道からすれば為政者はその一番厳しい状況を多くの情報を集めて予見し、専門家が言う範囲を超えて策を練り国民に丁寧に発信するべきではないのか。それで事なきを得、被害が最小限になるならばよしとすべきだが、首相の説明は幾度も「予想を超える拡大」という説明ばかりだ。コロナ対策ではいまだに先んじた政策はなく、結果に対処しているだけで対策とは言い難い。「できることはすべてやる」のレベルが低すぎるのは指導者の器か、内閣や側近の無能さか。(K)※敬称略