【政界地獄耳】内閣不支持の高まり野党はどうする? - 日刊スポーツ(2021年5月18日)

 

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202105180000037.html

★各社の世論調査ではオリンピック(五輪)中止・延期論が格段と増え、内閣支持率は上がるというよりも不支持率が高くなってきた。政権への評価が下がっているのだろうが、野党への支持は広がっていない。政治への評価は面白いもので、比較があると優劣をつけやすい。自民党以外の選択肢が生まれていない段階ではこんな結果が続くのかも知れないが、野党が結集したとしても自民党に追いつくことはない。政党支持では自民党が圧倒的だ。

★だが、先の補選のように世論調査と選挙結果は別物とみるべきで、野党は評価される政策、発言、リーダーの顔ぶれ、態度などで好印象を持たれ、新しい希望の若手も加われば、大きく変化する可能性を秘める。前首相・安倍晋三は「悪夢のような民主党」を在任中、連呼し続けたが、その民主党政権から10年。当時期待した国民は安倍の言う通りと感じる人、安倍が言うから悪夢と思い始めた人、悪夢というほどの感情は持ちえないが仲間割ればかりしていた印象などが混在するだろう。今でも野党の中心人物が同じ顔ぶれならばそう感じる人も一定数いるだろう。

自民党はコロナ相・河野太郎が1番人気という。だが、党内がすんなりまとまるには相当の手間がかかるだろうが、前首相の再々登板まで取り沙汰されるのは、こちらも人材不足に他ならない。政治家1人1人の力が落ちてきたのならば、力を合わせるしかないが、自民党は政権から転げ落ちそうな時に強い求心力が生まれているが、前回の衆院選挙は野党分断で勝ったといえる。今回もその分断が功を奏せば4年前と同じ結果になるだろうが、野党は同じ失敗を繰り返すか。そして世論調査から浮かび上がる国民の期待とは何か。自民党ベテランが言う。「一段と無党派層が増えたようだ。ワクチン接種運用失敗は政権の人災という声が無党派に広がるのが怖い」。延長がなければ今国会はあと1カ月で閉会となった。(K)※敬称略