【政界地獄耳】党内から「けじめを」…二階俊博に陰り - 日刊スポーツ(2021年4月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202104280000045.html

自民党幹事長といえば、権力の中枢といえる。場合によっては官邸のそれよりも影響力が大きく、首相・総裁よりも力を発揮する場合もある。その自民党幹事長に最長期間君臨する二階俊博に陰りが見えた。二階は参院選広島選挙区をめぐる買収事件で公職選挙法違反の罪に問われた元法相・河井克行被告について3月23日の会見で、「本人も大いに反省しているようだが、党もこうしたことを他山の石として、しっかり対応していかなくてはならない」と述べ人ごとのようだと政界内外から大きな批判を浴びた。

★26日の会見で広島の敗因について3月の「買収事件を他山の石と人ごとのように表現したことが敗因ではないか」と問われ「それは表現じゃないですか。それぐらいの表現は許されてしかるべきだ」と強く反論した。ただ、広島の買収事件は自民党本部から1億5000万円が河井案里陣営に送金されており、他山の石どころか二階自身が幹事長としての責任が問われる案件だ。

★広島の選挙総括でも自民党関係者からは「投票率が低ければ与党有利という幻想が吹き飛ぶ結果」「早い時期に河井問題の丁寧な説明と党としてのケジメをつけなければならなかった」との声が飛ぶ。以前、女性問題で議員辞職した広島選出の元自民党衆院議員・中川俊直はネットに「説明責任とけじめの重要性」として解説する中で自身の問題に触れているので一部要約、抜粋する。「17年4月に問題が報じられた際、政府関係者や自民党幹部との話し合いの末に、政務官の辞任、離党となったが、速やかな会見を求める私に自民党幹部らは、国会審議への影響等を理由に了承されず、国会終了までは表舞台に出ないよう求められました。その上で、政府自民党関係者から連日、『中川氏自らが明確な説明責任を果たすように』との報道を耳にして、大変複雑な心境でした」。「二階流」のたそがれを自民党がかみしめる時が来た。(K)※敬称略