(政界地獄耳) 森節満載「会長交代の舞台裏」- 日刊スポーツ(2021年3月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103240000089.html

東京オリンピックパラリンピック組織委員会前会長・森喜朗が、故郷の雑誌「月刊北國アクタス」で「会長交代の舞台裏」を2時間にわたり語っている。同誌によればインタビューは今月4日。12日現在のものという。表紙には「忖度なし、ホンネ一本勝負」と書かれている。特筆すべきは、森を追い込んだメディアの攻撃に対して擁護の声も多かったが、官邸内のある人が「なぜ国会議員から擁護の声が一切出なかったのか。森さんの世話になった人はたくさんいるし、細田派の人だっている。なのに、なぜみんな口をつぐんだのか。結局国会議員のスケール(器)が小さくなったということじゃないか。物を言わないし小利口になった」と言ったとする内容だ。

★続けて「うちの派の参議院の連中、世耕(弘成)君や山本(順三)君、衆議院でも福井の高木(毅)君とか、たくさん激励には来てくれたよ。心配してくれたよ。心配してくれたけど、声を上げて世論と戦うことはしなかった。怖じ気づいているのか、腰が引けているのか。あの元気な馳(浩衆院議員)君も、心配して電話掛けてきてくれたけど外では黙っているもんな」。また、秋の自民党総裁選をにらんでか「惜しいなと思うのは、岸田(文雄前自民党政調会長)君だよ」として「こういう時にこそ岸田君が森擁護論を言うべきだったと。そしたら『岸田も骨があるな』となったのに、実に惜しい」などと言われたことも明かしている。

★「麻生さんしゃべらなくなったよね。安倍(晋三)さんが総理の時は、予算委員会でよく耳打ちしてたもんだよ。(略)麻生さんも安倍さんの時は随分助けていたのに、今は全然知らん顔している」とし、組織委会長の後任人事について「会長を辞めるにあたって安倍さんに相談した」「その後秘書が来て『お断りしたい』と伝えてきた」とも。「次の総選挙は9月までにはある。その時まで体を自由にさせてほしい。(略)派閥の半分以上は3期以下。だから体の続く限り応援に回ってあげたい」が理由という。読みどころ、突っ込みどころ満載だ。(K)※敬称略