(政界地獄耳)「女性活躍」も理解できていない二階 - 日刊スポーツ(2021年2月18日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102180000084.html

★元首相で五輪組織委員会会長を辞任した森喜朗は理解が足らず、女性蔑視と言われた。擁護する人たちもいずれも現代社会の性差別などへの理解が追い付かず、贔屓(ひいき)の引き倒しというより、火に油を注いだ格好で、森は火だるまになって辞任に追い込まれた。その応援団の1人で森炎上に手を貸したのが自民党幹事長・二階俊博。森発言を嫌い五輪ボランティアの辞退が相次いだことに「お辞めになりたいというのだったら、新たなボランティアを募集する」とボランティアの在り方にも一向に理解を示さなかった。

★ところが何を思ったか16日の役員連絡会で、党所属の女性国会議員を5人程度ずつ、党の役員会や総務会など幹部会議にオブザーバーとして出席してもらうことを提案した。ただ発言権などなく見学者としての同席を“特別に”認めた格好だ。長きにわたり自民党幹事長に君臨し、菅義偉を首相に据えた剛腕も17日で82歳。女性の社会参加や男女均等などの政策や法案を可決することに駆けずり回った国対族の大物も、法案の中身までは理解していなかったということか。

自民党若手が言う。「これでは『女は黙って座ってろ』と言っているようなもの。逆効果だ。女性活躍とかが全く理解できていないのではないか。一方、女性活躍担当相・橋本聖子予算委員会で野党に聞かれて『不適切』というのが精いっぱいだった」。この女性活躍相は第2次安倍内閣時代に生まれたが、目的は「女性や子供世代、さらにはお年寄りの世代が過ごしやすい社会を実現するため」を目的とする。歴代大臣には官房長官加藤勝信、党幹事長代行・野田聖子らがいるが二階をたしなめた節はない。二階ルールと独裁はこれからも続く。(K)※敬称略