<南風>子ども食堂はどんな場所? - 琉球新報(2021年2月9日)

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子ども食堂は食に困っている子どもが集まるところ、そんなイメージをお持ちでないだろうか。
私もランチサポートを始める前まではそう思っていたが、実際には地域の子どもたちを誰でも受け入れる子ども食堂がほとんどだ。
子どもにも自尊心や見えがある。さらに子どもが自分で動ける行動範囲には限りがある。その狭い人間関係・エリアの中で「貧しくて困っている子だけ食べにおいで」と呼びかけたところで、誰も来ない。そこで子ども食堂は分け隔てなく子どもたちを迎え入れ、その中で特に手助けが必要な子を見つけ、さりげなく、でも重点的にサポートをするようにしている。
広く浅い分母から支援が必要な子を見つける形式は効率的ではないという声もあるが、子どもの気持ちに寄り添う良い形だと思う。その場として児童センターが適している。しかし、取り組んでいる市町村が少ないのがもったいない。この「市町村格差」は子ども食堂の設置方法だけでなく随所で感じている。
子ども食堂とは別に、教育と福祉の連携がもっと取れれば取り残される子が減るのではないかと感じている。新型コロナウイルスの感染予防対策など今まで以上の重責を担っている学校現場の先生には酷かもしれないが、子どもたちと一番接している学校での「気づき」が行政や福祉、地域と連携できるようになってほしい。個人情報や縦割りの壁などハードルは高そうだが、門外漢の私から見るとそこの連携があまり取れていないように思う。
偉そうなことを書いてしまったが、私自身は教育も支援も福祉も初めての分野なので、県の担当者や子ども食堂運営者などから教えてもらいながら必死に学びながら動いている。教育と福祉がしっかり連携しているという市町村があれば、ぜひ教えを乞いたい。
(富田杏理、おとなワンサード代表)