<金口木舌>足元の人権侵害 - 琉球新報(2021年2月5日)

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ロシアの巨額横領事件を告発した弁護士セルゲイ・マグニツキーは1年以上の勾留の末に2009年、獄中で死去した。米国は12年、人権侵害に関与した外国当局者のビザ発給禁止や資産を凍結する法律を制定した。弁護士の姓を取って「マグニツキー法」と呼ばれる

▼同様の法整備はカナダなどでも進んだ。これまでロシアや北朝鮮などの個人・組織に制裁が科されている
▼日本でも与野党の国会議員が人権侵害への制裁を可能にする法整備を目指し、超党派議員連盟を発足させる。香港民主派などへ弾圧を強める中国が念頭にある。マグニツキー法に倣った。民主化を求める人々を抑圧する中国に国際社会の働き掛けは必要だろう
▼沖縄防衛局の目視調査で昨年、普天間飛行場の離着陸回数は1万7500回に上る。2017年の調査開始以来最多だ。航空機騒音規制措置で制限されている午後10時以降の飛行も334回あった
▼1月12~16日には5日連続で午後10時以降に飛行し、宜野湾市には受験生から「勉強もできない」と苦情があった。市や市議会は沖縄防衛局に抗議した
▼周辺住民は騒音に悩まされ、墜落の恐怖にさいなまれる。普天間爆音訴訟の判決は騒音被害が受忍限度を超えていると認めている。基地被害も人権問題だ。外国への働き掛けも重要だが、日米両政府は足元の被害に向き合う必要がある。