<傍聴記>ヤングケアラー:東京 - 東京新聞(2020年12月10日)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/73482

九日の都議会一般質問では、最近注目を集める「ヤングケアラー」が取り上げられた。
ヤングケアラーは、本来大人が担うような家族の介護やきょうだいの世話をする十八歳未満の子どもたちのこと。学業や進路を諦めるようなケースもあるが、「家族の問題」として表に出ることが少なく、実態が把握されてこなかった。
そんな中、埼玉県は今年、県内の高校二年生を対象にした調査を実施し、二十五人に一人が「ヤングケアラー」に該当すると発表。厚生労働省も今冬、初の全国調査に乗り出した。
この日は、都民ファーストの会の両角穣都議が問題に言及。小池百合子知事は「まず状況は把握し、支援を検討する」としたが、具体的な対策には踏み込まず、寂しさも残った。
都には核家族が多く、親が要介護や病気になると、同居の子どもに負担が集中する懸念もある。先日打ち出した車の脱ガソリン化が「大都市の責務」というのなら、ヤングケアラーの問題もまた同じだろう。(岡本太記者)