(政界地獄耳) おちょこで決まる税金の使い道 - 日刊スポーツ(2020年12月1日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202012010000067.html

★来年に開催予定の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの延期とコロナ予算対策費に3000億円がかかると読売新聞が連日スクープで書き立てるが、どこが用意してどう運用するのかの主語がない。今月5日に国会は閉会するが、こんな予算も野党や議会のチェックもなく政府与党で決められていくのだろうか。税金の投入は場合によってはちゅうちょなく進めるべきだが「精査に関して誰も知らない」「いつの間にか」「政府が予備費から出した」など、結論だけ発表されることが増えている。

★それだからこそ国会を閉じずに、いつでも委員会が開けるようにしておくべきではないか。通年国会にして不具合があるのは学術会議問題や、桜を見る会のゆくえなどの追及を恐れる与党だけ。心ある自民党議員にも同様の思いがある。だが野党は3週間前から会期延長を求め続けたが、自民党から返答はない。国会はだらだらと閉会していく。

★もうひとつの巨大事業、大阪・関西万博について元大阪府知事で元大阪市長橋下徹、現市長・松井一郎、現知事・吉村洋文が大阪の経済活性化のために大阪・関西万博はどうあるべきかを考えるフォーラム「万博2025 どうなる日本? どうする大阪!」にそろい踏みした。その中で橋下は15年12月、松井、吉村とともに当時の首相・安倍晋三官房長官菅義偉との酒席を振り返り「万博が実現したのは松井さんの政治力。安倍さんのおちょこに酒をついで『(万博は)必要ですよね総理』と口説いた」と暴露。「お酒をつぎ倒して実現した」と解説すると、吉村も「おちょこ事件」といって「あの事件以来、グワーッと動いた」と振り返った。国民の税金はこうして使い道が決まっていくようだ。(K)※敬称略