(政界地獄耳) 東大総長選考にも疑惑…菅は裸の王様か - 日刊スポーツ(2020年10月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202010070000088.html

★首相・菅義偉日本学術会議への人事介入で首相は「日本学術会議というのは、省庁再編のなかで大議論を行ったところです。その結果として、総合的・俯瞰(ふかん)的活動を求めることになってますから、まさに総合的・俯瞰的活動を確保する観点から判断をした。これに尽きます」と任命拒否を説明したが、ご本人はこの説明を理解しているだろうか。6人の任命拒否された学者は省庁再編の犠牲者というのか。ただ、この学術会議への介入の前に東大総長選挙にも政治関与の疑いがある。

★2日、東大総長・五神(ごのかみ)真の任期満了に伴う総長選考では、来年4月からの次期総長に理事で副学長だった藤井輝夫が決まった。従来は「第2次総長候補者」が決まると候補者の氏名が公表され、全学の教授会構成員(教授、准教授、教授会を構成する講師)による本選投票が行われ、通常はこの本選で過半数を得た候補を、総長選考会議が「総長予定者」として文科相に上申、任命となる。しかし2次選考では代議委員会の投票で選ばれる1次選考でトップだった理事で副学長・宮園浩平の名前が消え、学内には2次選考の過程で「公平性・透明性に大きな問題がある」との指摘がある。

★「政策に反対する(幹部)官僚は異動してもらう」と公言する首相は法解釈の変更をしてでも権限を行使したいようだが、就任早々、裸の王様化している。「それだけは、やめた方が」などと意見を言おうものなら、即クビになるから官邸官僚や関係官僚全員が「おっしゃるとおり」と日々拍手している状態なのだろう。これぞ強烈な裸の王様だろう。今回は与党幹部からも苦言がでたが、その後ははっきりしない。つまり杉田水脈騒動と同じ構図、同じレベルかもしれない。このままうやむやか。(K)※敬称略