(政界地獄耳) 杉田水脈かばう菅政権のお粗末に不快感 - 日刊スポーツ(2020年9月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202009280000107.html

★首相・菅義偉のいう「自助・共助・公助」の概念は、阪神・淡路大震災を契機に、特に防災の分野で広まった言葉だ。首相は「まず自分でできることは自分でやる、自分でできなくなったらまずは家族とかあるいは地域で支えてもらう、そしてそれでもダメであればそれは必ず国が責任を持って守ってくれる。そうした信頼のある国づくりというものを行っていきたい」と解説した。

★ただ、社会は防災の概念だけでは説明できない。「新自由主義者が自分のことは自分で守れ、助けを求める前に努力しろという意味か」(野党議員)との反発もある。防災とは、逆に自分で何とかして、家族や地域に頼り、最後は政府が最低限の保障はするが、質は問うなという冷たい社会の形にも聞こえる。誤解を恐れず言えば、政府とは公助が仕事ではないのだろうか。政府こそ規模や対象にかかわらず「公」の窓口にならなければならない。それなのに政府の代表が国民に対して努力なきものは認めないという風土を作ろうとしてはいまいか。

★その政府自民党が守ろうとする議員がいる。25日、自民党衆院議員・杉田水脈は党の内閣第1部会などの合同会議で、女性への暴力や性犯罪に関し「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言。本人は発言を否定しているものの、杉田は過去に雑誌「新潮45」にLGBTカップルへの支援をめぐって「生産性がない」と寄稿。この件で一連の論争が紙面で繰り広げられたが、結果、「新潮45」は休刊した。安倍政権時代はこの発言を擁護する党内の声も大きく、批判は少数だった。だが、今回の問題は党内の会議で起きたことなのに党幹部、派閥、党内女性議員もだんまりを決め込む。なるほど、これを菅の公約に照らせば、まずは自分で何とかして、ダメなら党がかばい、最後は官邸が助けるということか。これがおかしいと思えない政府や党をどう信用すればいいのか。いささかお粗末すぎて不快感だけが残る。(K)※敬称略

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