<金口木舌>「不当表示」見過ごさない目を - 琉球新報(2020年9月12日)

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商品に正しい表示がなければ消費者は不利益を被る恐れがある。消費者庁景品表示法について「うそや大げさな表示など、消費者をだますような表示は禁止」と説明する

▼政治家を選ぶ際はどうか。有権者は発表される公約や政策を信じて投票する。国民の負託を受けた政治家は、当選後も行政機関に対してあらゆる記録を残すよう指導しなければならない。透明性を確保することが民主主義の基本だからだ
▼政府は情報公開法に基づき、公文書などの記録を公開する義務を負う。記録はうそやその場の言い逃れで国民をだますことへの抑止にもなる。だが、2011年の東日本大震災で政府は会議の大半で議事録を残さなかった
▼「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」「(議事録の)作成を怠ったことは国民への背信行為」。かつて鋭く当時の民主党政権を著書で批判したのが菅義偉官房長官
▼信念はどこにいったのか。安倍政権の桜を見る会で菅氏は「招待者名簿は破棄した」「名簿のバックアップデータは保存期間を過ぎ復元できない」など、記録や公開を軽視する弁明を繰り返した
自民党の総裁選が実施される。新型コロナ対策や経済の立て直し、辺野古移設問題などにどう向き合うか。うそや隠ぺい、論点ずらしなど政府の「不当表示」がないか、国民は不利益を被らないようもっと敏感になってもいい。