(政界地獄耳) 菅の常套句「問題ない」に問題あり - 日刊スポーツ(2020年9月9日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202009090000078.html

自民党は首相・安倍晋三が突然辞任表明したため総裁選挙を。野党はやっとひとつの塊をつくることになり合流手続きとともに代表選挙を。コロナ禍で政治空白を作ってはいけないと言いながらコロナの記事はどんどん小さい扱いだ。それどころか今度は早ければ今月中に解散総選挙だという。政治家のお口と行動は別というものの、ここまでやり放題を放置しているのも驚く。

★6日、共産党委員長・志位和夫ツイッターで総裁選挙の騒動を「メディアは『叩き上げ』だの何だのと愚にもつかない話でなく、きちんと聞くべきことがあるはず。赤木さんの妻・雅子さんの訴えにどう答える? 2度の消費増税が経済に与えた影響をどうみる? PCR検査の実施数が世界150位の理由はどこにある? 辺野古基地、武器爆買い、思いやり予算をどうする?」と問うた。

官房長官菅義偉の会見の常套句(じょうとうく)は「問題ない」「全く当たらない」「問題ないという報告を受けている」「指摘は当たらない」。いずれも答えているようで、問いに全く答えず、その理由の説明さえしない。答えではなく「答えない」と答え、すべてのやりとりをここで止めてしまう。この対応とたたき上げの相関図を教えてもらいたいくらいだ。丁寧に答えるとは安倍政権がよく使う言い回しだが、ここには丁寧さのかけらというより、コミュニケーションをとるという姿勢すら見受けられない。今後は安倍政権の継承と言いながら「既に終わったこと」「解決済み」「結論は出ている」を予算委員会や会見で言うのだろうか。さしずめそれを閣議決定していくことが安倍政治の継承なのだろうか。安倍外交はひとつの売り物だったが、このやり方では外交は通用しない。(K)※敬称略