(政界地獄耳) 二階と御用記者 世論誘導のなせる業 - 日刊スポーツ(2020年9月3日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202009030000083.html

★首相・安倍晋三の退陣表明から政策発表も国家ビジョンも、まして出馬表明もしていない段階で党内主要派閥がこぞって官房長官菅義偉へ支持表明をするなどの異常事態をメディアは無批判に受け入れている。幹事長・二階俊博と御用記者たちの世論誘導のなせる業だが、場合によってはポストの空手形やカネも飛び交っているのだろうか。菅支持は勝ち馬なのか、それとも別の理由や事情が隠されているのか。両院議員総会の地方票は141票。すべてが菅以外に投票したとしても菅の優位は変わらない。

★安倍政権末期、首相と官房長官の間には隙間風が吹いたといわれていたし、その理由は菅が政権に意欲を見せたことへの不信感と伝えられた。首相側近たちが警戒感を示したからだとも報じられた。その後、首相自身が「隙間風など吹いていない」(6月21日、ネット番組で)と否定した。また、8月7日発売の月刊誌では菅が「1日2、3回は首相と会うし、何かあると必ず報告している」と否定した。そんなことをわざわざ言うのもおかしな話だ。

★首相には第2次安倍内閣からずっと首相補佐官首席秘書官・今井尚哉が就き、官房長官には官房副長官杉田和博が同様に就いている。今井は経産省出身、杉田は警察庁出身のともに官僚だ。政界関係者が言う。「アイデアと発想、新しいものに反応する経産省文化の今井と旧内務省と警察の情報畑を歩んだ杉田、2人の官僚のタイプと手法の違いがその上にいる首相と長官の隙間風を生んだのではないか」。その意味では安倍政治の継承とは名ばかりで菅政権は堅実な官僚政治を軸に進むのだろうか。官邸官僚らの人事でそれは見えてくるだろう。(K)※敬称略

 スガ氏出馬表明 安倍政治の継続が決まった日 - 田中龍作ジャーナル(2020年9月2日) 

tanakaryusaku.jp