(政界地獄耳) 重油流出あまりに動き遅い小泉環境相 - 日刊スポーツ(2020年8月17日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202008170000152.html
終戦の日の15日、環境相小泉進次郎靖国神社を参拝した。閣僚による終戦の日の参拝は4年ぶりとなる。だが、小泉は靖国よりモーリシャスに行くべきではないのか。先月25日、インド洋の島国モーリシャス沖のサンゴ礁周辺ボワントデスニーで座礁した「わかしお」は日本の海運会社、長鋪(ながしき)汽船の関連会社OKIYO MARITIME社が所有。商船三井がチャーターし運航していた。乗員は避難したが6日から周辺海域に流出した重油は1200トン以上だったと9日の会見で商船三井が明らかにした。

★関係者の話を総合すると重油の流出量は少ないものの環境保護対象となっている2つの海洋生態系と、国際的に貴重な湿地帯である自然保護区ブルー・ベイ・マリーン・パークの近くで起きたこと、国連の生物多様性条約によると、モーリシャスの海は魚800種、海洋哺乳類17種、カメ2種を含む1700種の生き物のすみかとなっている。今月7日にモーリシャス政府は非常事態宣言を出した。

★フランスは近隣のフランスの海外県レユニオン島から、汚染防止装置を軍用機で輸送した。日本はフランスの活動を支援するため、6人のチームを派遣している。小泉は15日の会見で「環境省として何ができるか早急に見極めるためサンゴ礁生態系、油回収の専門家、環境省職員を現地に派遣する方向で調整している」「モーリシャスサンゴ礁などの生物多様性の宝庫だ。事態への対処を全力でサポートしていきたい」「当事者である日本企業はもとより環境省としても他人事でなく、傍観してはならないと考えている」。言葉は勇ましいが座礁は先月25日、重油流出は今月6日。翌日にモーリシャス政府が非常事態宣言。あまりの初動の遅れにあきれるばかりだ。これこそGoToの前倒しだろう。(K)※敬称略