(地獄耳) マスク追加8000万枚 今こそ事業仕分け - 日刊スポーツ(2020年7月29日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202007290000082.html

★10年度の予算編成のため、民主党政権が導入した予算編成の透明化と、政治家だけでなく民間の視点を入れた「事業仕分け」を覚えているだろうか。正式には「行政刷新会議」が3回開かれた。もう10年前。当時の民主党参院議員・蓮舫の「2位じゃダメなんですか」の発言で記憶にある人も多いだろう。当時は経済的視点だけで無駄か無駄でないかを軸に「廃止」「縮減」などと仕分け、予算の透明性を高め、国民にもそのプロセスが見えるようにすることを目的とされた。政権に批判的なメディアでの世論調査でも評価は高かった。

★野党のみならず多くの国民が安倍政権のでたらめな予算執行や空前の政策転換と税金の無駄な運用にいら立ちを持ち始めていることを考えれば今こそ、野党は政権を取る前にもこの事業仕分けを復活させるべきだろう。当時もネット番組配信会社5社が中継を続けたことを考えれば、現代に大いに活用すべきだろう。この事業仕分けに拘束力はない。あくまでも判定であり、当時も3兆円の無駄の削減を目指したが1・7兆円が見直され国庫に戻すとしたが、財務省が必ずしもその通りの査定をしたものではない。

★今後さらに約8000万枚を配る予定になっているいわゆるアベノマスク。その評価は低く、国民の9割近くが「使わない」としているが、もともと国民が望んでいたものはアベノマスクの配布ではなかった。だがその検証すらされず、総額約507億円の費用で、郵送やコールセンター、検品などの事務経費が約107億円。いずれも入札をしないで業者に発注する随意契約という。GoToキャンペーンの1兆4000億円なども徹底的な検証が必要だ。加えて、誰がどこで立案しどこで決済され、税金が投入されたか、責任者は誰かがよくわからない官邸主導のコロナ対策だけ拾っても、相当の仕分けが可能ではないか。今こそ仕分けで野党は一丸となればいい。当時の仕分けには立憲民主党代表・枝野幸男、国民民主党代表・玉木雄一郎のいずれも民主党議員として参加している。(K)※敬称略