(政界地獄耳) 重い政治家の学歴 小池はどう説明 - 日刊スポーツ(2020年6月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202006050000063.html

★古くは1992年の参院選愛知選挙区で当時の民社党で当選した新間正次が、公職選挙法第235条(虚偽事項の公表罪)で起訴された。「中学生当時、公費の留学生に選ばれ福祉を学ぶためにスイスで半年間ボランティアの勉強をした」という虚偽演説と選挙公報に「明治大学中退」との虚偽記載で禁錮6月、執行猶予4年の判決が確定し失職した。

★96年にはサッチーこと故野村沙知代衆院選挙に当時の新進党から東京5区と比例東京ブロックから重複立候補で出馬。落選したが99年に繰り上げ当選の可能性が生じ、改めて米コロンビア大学留学という学歴が詐称ではないかと問われた。公職選挙法第235条違反の疑いで告発を受け東京地検が現地調査をするも大学には当時の留学生の学籍原簿や単位認定記録等が残っておらず、経歴詐称の証拠は得られなかった。検察は嫌疑不十分で不起訴にしたが繰り上げ当選は辞退した。

★03年の衆院選では福岡2区から民主党公認で出馬した古賀潤一郎が当時の自民党副総裁・山崎拓を破り当選したが、学歴にある米ペパーダイン大学卒業の虚偽疑惑が浮上。こちらも公職選挙法第235条の疑いで告発を受け、福岡県警が米国に捜査員を派遣。結局議員辞職福岡地検は不起訴処分にした。

★政治家の学歴は有権者の投票行動を左右する事項として重きを置かれ、ことに海外の大学での特異な経験や知見は政治家としての資質につながると思われる。公職選挙法第235条がいかに重い法かがうかがわれる。18日の告示を前に出馬すれば再選確実といわれる都知事小池百合子もエジプト・カイロ大首席卒業というキャリアが揺らいでいる。4年前は自民党衆院議員で盟友・若狭勝(現弁護士)と組んで戦った小池だが、野村沙知代のコロンビア大現地調査に行ったのは若き東京地検検事の若狭だった。小池はどう説明するのか。(K)※敬称略