(政界地獄耳) WHO事務局長に踊らされた東京五輪 - 日刊スポーツ(2020年4月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004250000138.html

★このコロナ禍を世界的に蔓延(まんえん)させる遠因はいくつかある。中国・武漢起源説や米国メリーランド州起源説などで世界の言論界が盛り上がっている時期はとうに過ぎた。その議論を楽しむ時期は過ぎたのだ。我が国で言えば春節の中国客を止めなかった政府は今頃来日するはずだった中国の習近平国家主席の来日を前にもめることを嫌い入国の制限ができなかった。また元エチオピアの保健相でWHO事務局長・テドロス・アダノムが1月23日に「中国で発生しているウイルスは世界的脅威ではない」と発言したことから中国寄りとの評価が定着した。

★今も米トランプ政権はテドロスに批判的で、WHOへの資金提供を停止して辞任を促している。確かに1月28日「国際社会は過剰反応するな」。同31日「人の行き来を維持し国境を開放し続けるべき」「中国の対応は過去にないほど素晴らしい」「習近平国家主席のリーダーシップをほかの国は見習うべき」。2月8日「致死率は2%ほどだから安心していい」。同25日になっても「パンデミックと宣言するには時期尚早」。同27日「封じ込めは可能」。もうきりがない。

★そのテドロスは今月22日の会見で「世界は私たちがいた元の姿に戻ることはできないでしょう。『新しい日常』になるはずです」と発言。今までIOC国際オリンピック委員会)はWHOに従うと説明してきたので、テドロス発言を信じて進めて来て1年延期となった東京オリンピック(五輪)だが、同組織委員会会長・森喜朗は22日、「選手のことや大会運営上の問題を考えても2年延ばすことは技術的に困難」「大会の再延期は絶対ない」とした。結論は出たのではないか。IOC、WHO、東京五輪組織委員会、東京都、日本政府は早急に中止を宣言し、五輪予算を組み替え、コロナ禍に使うべきだ。終息後の経済復興の予算計上ばかりに気を使う政府だが、今そこにある危機を乗り越えてからの話を今する必要はない。(K)※敬称略