(地獄耳) 政権は誰のために何をお願いしているのか - 日刊スポーツ(2020年4月10日)

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★緊急事態宣言が出た後の政治家の発言から見えるもの。政治家自身は初の緊急事態宣言をどう受け止めたのか。自民党幹事長・二階俊博は取材に「人の接触を7~8割減らしていくという総理の発言があったが、自民党内でもそういった動きが今あるか」の問いに「人の接触を7割とか8割とか8割5分にするとかって、そんなことはできるわけがないじゃないですか。それは国民の皆さんのご協力をお願いすると、こういう早く言うと、お願いベースですよね」との受け止めを示した。

★副総理兼財務相麻生太郎は、来週テレビ電話会議で行われるIMF国際通貨基金)総会、G20財務相中央銀行総裁をはじめ一連の会議で低所得国債務救済のため、日本がIMFの大災害抑制・救済基金「CCRT」への資金拠出を準備していて、その原資は緊急経済対策の108兆円から拠出される。

★コロナ対策担当の経済再生相・西村康稔は、緊急事態宣言発令の対象地域となった7都府県知事とのテレビ会議で、休業要請を2週間程度見送るよう打診していた。また首相・安倍晋三は、外出自粛要請に関連して、職務質問を活発化することなどを警察に要請することはありうるかと問われ「取り締まりの対象には、罰則ありませんから、取り締まりの対象ということでは、警察が取り締まることはありません。ただご協力は要請させていただくということはあるかもしれません」とした。また、7日の会見では「例えば最悪の事態になった場合、私が責任を取ればいいというわけではありません」と答えた。これは責任を取ったことのある人が言っていい言葉だろう。

★国民に一体何をお願いしているのか、緊急事態ではないのか、経済対策は誰のためか、そして宣言の拡大解釈や恣意(しい)的な運用はないか。安倍政権の政府対応は、でたらめでめちゃくちゃだ。(K)※敬称略