休校 県内49小中学校は4〜6日から 開始時期 子ども尊重で - 信濃毎日新聞(2020年3月4日)

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200304/KT200303ATI090036000.php
http://archive.today/2020.03.05-000619/https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200304/KT200303ATI090036000.php

国が新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため全国の小中学校、高校や特別支援学校に臨時休校するよう要請したのに対し、県内では戸惑いが広がりながらも3日までに公立648校の9割超が休みに入った。一方で11市町村・1組合の計49小中学校は4〜6日から休校とした。上伊那郡飯島町と並び県内で最も遅い6日から休校とした同郡辰野町教育委員会は「子どもたちにとって大切な時期の時間を奪ってはいけない。その時間を少しでも保障したかった」とした。
辰野町は6日から学校と連携して学童クラブ(学童保育)を午前から開設し、感染リスクを避けるため子どもたちを「極力少ないグループ」に分散させながら運営する。小学校全学年の家庭に希望を調査し、追加登録も認める。宮沢和徳教育長は3日、こうした準備期間の確保に加え「卒業を控える子どもにとっては一日一日がかけがえのない」時期を迎えていることも考慮したと述べた。
北安曇郡池田町は4日から臨時休校。竹内延彦教育長は2月29日に自身のフェイスブックで決定に至った背景や経緯を詳細に明かした。「個人的な思い」とした上で「子どもたちや教育現場に一番遠い所にいる国が決めたことに、上意下達に従った方がいい、という風潮には激しい違和感を感じる」と記した。
竹内氏は3日の取材に、4日から休校としたのは、子どもたちの気持ちや教職員と保護者の準備期間を最優先に考えたとした。「地方自治の考え方が根本にある中では(各自治体が)考えて決断するべきことだ」とも述べた。県内外から400を超える「シェア」(書き込みの共有)があった一方、抗議の電話もあったといい「首相や現政権を批判するつもりはなく、これからの教育の在り方を考えた上での発信」とした。
飯田市の牧野光朗市長は3日の記者会見で、国からの一斉休校要請について「地方の状況については相談してほしかった。これだけ現場でショッキングな状況を招いたというのは、それだけ唐突だったということだ」と苦言を呈した。市内の小中学校は2日午後から休校。牧野市長は全国市長会副会長を務めており「全国市長会ルートで要請の話を聞いたのは安倍晋三首相が(2月27日夕に)表明する直前。後はそれを受けてどう対応するかという話になってしまう」と述べた。