<金口木舌>「心のたんぽぽ」を広めたい - 琉球新報(2020年1月11日)

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塩屋湾を望む場所に大宜味村立旧塩屋小学校がある。村内小学校の統合に伴い2016年に閉校になった。開催中のやんばるアートフェスティバルの会場に校舎が使われている。敷地内の石碑に刻まれた児童の詩が目を引く
▼「心のたんぽぽ」という題名で、当時小学5年の宮城夏喜さんが平和を願い作った。「心のたんぽぽいりませんか/いっぱいのやさしさでできています/お国に一つ持ってれば/わた毛になって/とんでって/みんなの心でめを出します」
▼俳優の吉永小百合さんが5日のチャリティーコンサートで読み上げた。「心のたんぽぽいりませんか/よごれた心洗います/きっとあらそいなくせます」。率直な言葉が胸に響く
▼吉永さんは昨年、対馬丸記念館に直筆のメッセージを贈った。「いつまでも忘れないことが大切です」「二度と戦争をしないという強い思いのなかで」と反戦平和の決意を込めた
▼戦争の影が忍び寄ってくるような新年である。米軍によるイラン革命防衛隊の司令官殺害で、両国間の緊張が高まっている。イランは米空軍基地などを報復攻撃した。両国とも報復の連鎖を自制するシグナルを出しているが、問題の根が深いだけに戦争に対する不安はぬぐえない
▼世界中で戦争の種は尽きない。吉永さんのような思いを次世代に伝えていくことは、私たちの未来にとってとても大切だ。